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October 23, 2006

202 Cafe

2006-10-21
ブランチ・カフェ・バー
202 Cafe

Chelsea Market内
75 Ninth Ave. (bet. 15th & 16th Sts.)
Manhattan, NY 10011
TEL ; 646-638-1173

ここを訪れたのはひとえにこのカウンターでバーテンダーをやっているステファン(シュテファン)・トゥルマーのおかげです。彼はオーストリア人。お兄さんのアルバート(アルベルト)がブーレイ/ダヌーブで働いていた縁でニューヨークに来て、あの「座って300、食べて600、飲んで900ドル」で有名なタイムワーナーの寿司マサのバー・マサでバーテンダーをやってNYタイムズなどに注目され、その後、ブーレイ・アップステアーズのオープニングの半年間をあの混沌の中でマネジングを兼ねて任されていた人です。

このステファンのカクテルを求めてやってきたこの店、不思議な雰囲気なのは何というんでしょう、ブティークというかセレクトショップというか、店内には服やインテリア用品やキッチンウエアなどが売っていて、売り場面積としてはそっちのほうが大きいかしら。その空いた部分でレストランをやっている。ここはオリジナルの本店はロンドンにあるそうで、「202」という店名もじつはそのロンドンの住所からだそうです。

それで、ステファンはわたしがカウンターに座るといつもわれわれ日本人から知った「オマカセ」というシステムでカクテルのコースを振る舞ってくれます。これがいつもインプロヴィゼーションで、季節に合わせて果物を変え、酒を変え、それがいろいろと5杯も6杯も手を替え品を替え出されるものだから、お勘定のときにはすっかり出来上がっているという次第。みんな蒸留酒、リキュール系ですんでけっこう強いんですよ、飲み口はフルーツなんかですっごく飲みやすいんですけど(笑)。

ステファンはニューヨークでも5本の指に入るバーテンダーです。
店には日、月の休みを除いて4時から入るようです。
カクテルのお任せコースなんて、いいアイディアでしょ? メニューにはないけれど、酔っぱらう覚悟ができているならカウンターに座って「オマカセ、プリーズ」って言ってみたらいかが? おいしいんだから、これが。

この日はなんと、ハロウィーンが近いのでカボチャのカクテルを作ってくれました。これがあなた、いやはや、カクテルとして完成品です。うまい。シナモンとカボチャのピュレと、あと、わかりません。でも、それらをシェイクしてライムの酸味で締めるんですね。いやいや、おみごと。これからは寒くなるから温かいカクテルを作ってくれるんじゃないかな。オーストリアとかドイツとかにもあるでしょ、そういうの。ワインをあっためたやつとかね。

ちなみに、ここはNYのベスト・ブランチを提供するレストランとしてタイムアウト誌がお墨付きを与えています。でね、ほんと、定番のブランチもいいけど、夜もバー・スナックがすっごくきちんとしているんですよ。おいしいの。フィッシュ&チップスとかクロックムッシューとか、それにカレーライス!

シェフは女性だそうです。バースナックだけではなく、ちゃんとしたポーションでのディナーもあります。日替わり(?)週替わり(?)の魚料理も、こういっちゃなんだが、すごく考えられていて驚くくらいうまいんですわ。カリッと皮目を焼いた中がほっくりのシーバスなんかがブロスなんかに浮かんでいるとかね。これはカフェの片手間の料理じゃありません。隣のブッダカンなんかに行くより、わたしはこちらをこそ料理と呼びたいです。おしゃれなチェルシーのはずれの、おしゃれな空間。ふと立ち寄るリストに入れておいてよい店でしょう。
☆の価値はあります。

October 22, 2006

大賀 Oga

2006-10-21
ジャパニーズ・タパス
大賀 Oga
☆(暫定)
143 E. 47th St.
(bet. Lexington & 3rd Aves.)
Manhattan, NY 10017
TEL;212-308-5688
http://www.oganyc.com/

先日、エル・ブリのフェランご一行がNYにいたときに、どこかジャパニーズでお薦めのところはないかと訊かれて、いくつか挙げたうちの1つのここにアルザックの親爺さんともども訪れたらしく、まあ、ジャパニーズ・タパスという位置づけに興味を惹かれたのだと思われ。で、そのあとにここのシェフからわたしにまでお礼の電話が来て(どうもフェランがわたしから聞いたと言いおいたらしい)「フェランが興味を示していた糸唐辛子と針海苔をぜひお渡し願えないか」と請われ、わかりました、では、ということで行って参りました。

今年の初めのオープンらしく内装も新しくきれいでしゃれており、常駐のシェフは大賀さん本人ではなく(ボストンの本店と行ったり来たりの日々らしい)杉浦さんという若い方でした(って後から聞いたらもう四十代ですって)。でメニューを見ると、寿司(巻き物中心)と、温かいタパス、冷たいタパスというふうに並んでおるのですが、一見まあ居酒屋料理なのですね。そうした小鉢、小盛り料理をアメリカ人にもわかりやすく「タパス」と称したのでしょう。さてそれらを頼んでみようかと思っていましたらシェフが中でなにか特別にあしらえているそうで、それらを待つことにいたしました。ちなみにこの日は午後にチェルシーで「ジャパニーズ・レストラン・ショー」という見本市みたいなのが催されていて、プライベートパーティーで急遽お休みとなったアップステアーズのシェフ三上さんに誘われてそこに出向いた後、そのまま2人で(一軒を挟み)流れた次第。そこに同じくアップステアーズのシンちゃんも合流して、さらにはエル・ブリつながりであそこのスーシェフをやっていたマウロという若いイタリア人シェフも呼んじゃって、4人でわいわい、となりました。

で、杉浦さんの厨房から出てきたのは

自家製豆腐にマリネしたキノコをちょこんと飾って柚子ポン酢で食すもの
和牛のタルタルを紫のアンディーブにちょこんと載せて、梨のソースとアンチョビのソース(コンディメント)でそれぞれ食すもの
カブとサツマイモの揚げ出し
アーティチョークのすり流し風松茸のスープ

そのほかにメニューから頼んだもの

スパイシー・ツナ・トスタード(トスタード=揚げたトルティーヤ=の代わりにすし飯を海苔で挟んで天ぷらに揚げて、その上にタイの辛味調理料のスリラチャで和えたスパイシーツナをのっけたもの)
イカとイクラの巻き物のウニ載せ
アヴォカドとイカ・エビのコロッケ
ジンジャー・ラム(ラムのロースを黒ごまでまぶしてパン・ソテーし、生姜と醤油のソースで食すもの)
なす田楽(三種のソースで=黒、黄色、緑、ってことはホイシン系の甘味噌、西京+卵かな、それから緑は忘れた)
茶碗蒸し(とはいえ、豆乳の浅いカスタードで、おまけにモッツァレラがかかっていて、そこにイカやエビの表面に突き出しているところをトーチで軽く焼き付け、その上に鰹の出汁あんを掛けたもの)

そりゃね、特別料理含みですからおいしかったです。
とくによかったのはアーティチョークのすり流し風松茸スープ。これは絶品。
もうひとつは、上記の茶碗蒸しですね。これは面白い。焦げ味とモッツァレラが上質なあんの出汁と絡んで素敵。いいねえ。
あとひとつは、カブとサツマイモの揚げ出し。なんちゃないけど、野菜がほっとします。こういうの、けっこう発想自体が難しいのですよ。
この三品は素晴らしかったです。どこに出しても恥ずかしくない。

いずれも杉浦さんの味付けは押し付けがましくなく、塩加減もちょうどいい軽さ。ただ、お寿司(巻き物)はちょっとまだかな、という感じがします。アメリカ式のいわゆる変わり巻き物(変形)なんですが、何が言いたいのか、よくわからない。2種類しか食べてないですけどね。ウニ、イカ、いくらの巻き物は、みんなグチョッとした食感ですんで、キュウリとか沢庵とかなんか、カリッシャリッってのが入ってないとフォーカスが定まりません。トスタードのほうは、うーん、すし飯の天ぷらっての、成功してないんじゃないかしら。
でもまあ、本日は、☆1つ、という、とてもいい感じでしたが、“特別料理”込みということで、☆の評価は暫定とします。で、何気なくまたふらっと来てメニューからほかの面白いものを頼んでみます。

というところで、店の話は終わりですが、本日はそのほかにとても「なんだかなあ」という経験をしました。

お店に「ジャピオン」と「フロントライン」というNYの日本語フリーペーパーのライターと称する女性が2人取材(かそのまえの取材下調べ?)に来ていたらしく、杉浦さんが「エル・ブリのシェフが来ている」とマウロのことを伝えたのでしょう。そうしたら「エル・ブリのファンですってことで、ごあいさつをしたがっているんですけど紹介してよろしいでしょうか?」って杉浦さんから申し出が。「はいはい、いいですよ」と応えたんですが、その後にやってきたこの女性2人組、私たち他の3人は完全に目に入らないらしく、会釈もなにもせずにそのままマウロだけに名刺を上げたり話したり。その間3分ほどでしたが、私たちの席はその間じゅう、宙ぶらりんになるのです。

舞い上がっているせいでしょうけど、これは日本人によくあるいちばん悪い癖です。いっしょにいる人たちを無視する。眼中にない。あいさつもしない。ジャーナリスト失格以前に、いっちょまえのオトナとしてどうなの、それはすごく失礼なことではないのでしょうか、ジャピオンさん、フロントラインさん。

取材者というのは、周囲の空気を読めなければダメなのです。
ほんと、ニューヨークの日本人社会にはこうした自称ライター、自称ジャーナリスト、自称カメラマンというのがうじょうじょしていて、同じ肩書きで働く者としてときにとても迷惑ですらあります。もうちょっと修行してよね。そうやってあちこちでジャーナリズムの評判を落とすわけだからして、ことの失礼はキミだちだけの問題ではないのです。

October 10, 2006

Degustation

2006-10-09
タパス(スペインの小皿料理)
Degustation(デギュスタシオン)
☆☆
239 E. 5th St. (bet. 2nd & 3rd Aves.)
NY., NY., 10003
TEL 212-979-1012

ひさしぶりにニューヨークでまた来ようと思うレストランに巡り会いました。
この日はブーレイのテストキッチンに用事があって出かけたのですが、そこでまずはフェラン・アドリアご一行さんと再会してなんだらかんだらとわけのわからんスペイン語で「NYで行くべき日本料理もしくはアジア料理の店」なんかを訊かれて答えに窮していたのですが、ほんと、ないんですよね、Upstairs 以外に薦められるところって。

ま、それはいいや。で、フェランたちが帰ってデイヴィッドとトーマスとぼくとで打ち合わせを始めたところに、こんどは京都「菊乃井」三代目ご主人の村田吉弘総料理長がいらして、なんと3時から6時半までみっちりとデイヴィッドと料理談義。それの通訳を務めるはめになってしまって、まあ、村田さんが講談社インターナショナルからちょうど英語版の「KAISEKI」という本を出したということもあって、それを見ながらなんだかんだの花が咲いたわけで。中でも興味深かったのは、いま日本料理の科学的な研究を行っていて、たとえば昆布のだしはいままでは冷水で一晩置いたものがおいしいとされていたんだけれど、どこぞやの大学との共同研究で、「60度で1時間」がもっともグルタミン酸が多く抽出される目安だとわかったんですって。なんか、30%も多いらしいですよ、みなさん。

で、そうした話も終わって、村田さんと講談社の内山さんがお帰りになるところで村田さんから「ちょっとやりませんか?」といわれてほいほいと付いていったのです。で、4日からNY入りしていてもうフレンチも鮨も飽きたという村田さんらが行ったのがこの店だったというわけ。(ずいぶん前口上が長かった)

ここはあのジュエルバコのジャックとラムのグレイス夫妻がそのジュエルバコの隣にオープンした姉妹店、というか、店そのものも中でつながってまして、デギュスタシオンがカウンター席16席だけだったので座れず、ジュエルバコのボックス席に陣取って(こっちのほうが結果的に楽ちんでした)、デギュスタシオンからタパスを8種類くらいかなあ、で、最後に巻物を4種類ほどジュエルバコから、というふうに、けっこうふんだんにお任せでいただきました。

このタパスがあなた、なかなかいいのはどうしてかというと、塩加減がいいんですね。NYのアメリカ人用の店にありがちなくどさ、濃さがなくて、ちゃんと繊細。訊けばシェフはスペイン生まれで15歳のときからアメリカで住んでいるというウェスリーくん(27)。若くて、最後に村田さんがあいさつに行ったら、いやいや、ちゃんとカウンターから出てきて、まあ、途中で店のひとも御大が京都の老舗料亭のビッグショットだって知ったんでしょうね、きちんと礼を尽くしてあいさつしていました。アメリカといえど、こういう世界は上下関係ってのが、っていうか、敬意の表し方というのは同じです。

さてその料理ですが、いずれも一口料理もしくはそれに類した小皿料理で、中でも感心したのはスウィートブレッド(子牛の胸腺=リードヴォー)を唐揚げみたいにしてそれをキュウリのヨーグルトソースとキュウリの千切り、香草で食わせるというもの。食感よろし、キュウリの清涼感がよろし。いやいや、べつに特に奇を衒ったものはないんですが、1つ1つが丁寧かつなんとなく工夫が施してあって、「感動」というんじゃないけど、そうですね、「感心」するんです。得心する、なるほどと思う、いちいちうなづいてしまう、そういう料理。小さなコロッケには控えめなアリオリのソース、ホタテのグリルにはピンク・グレープフルーツのきれいなソース、フォワグラのソテーもザクロのジュースをあしらったり、結果として出てくるものの味のバランスがとてもよい。村田さんとふたりで「なかなかですね」と顔を見合わせておりました。20代半ばで出てこない料理人はダメなんだってね、やっぱり。

で、その村田さんの若いころのとても興味深い話や料理界の人間像のことなども聞きました。が、まあ、それはプライヴェートなことなのでここに出すには許可がいるでしょう。ただ、料理を作っていていつも考えることは「ミッション」ってことだっておっしゃっていましたね。「メシ屋ですからね、それを通じていかにひとを幸せにするか、うれしくさせるか、それがミッションなんですよ。そのために仕事してるんです」って。

いずれにしても、ここには近々再訪して、写真を掲載しましょう。きれいなのです、料理が。
この日は、最終的に4人になって、料理は285ドル、ワインはスペインの微発泡の白が50ドルでなかなかのものが飲めました。

October 08, 2006

Bouley Upstairsまたもやwith Ferran Adria del Bulli

2006-10-07
☆☆☆

あー、あれからまた1年が経ったんだなあ、って感慨はじつは、ほんじつふたたびエル・ブリのフェランとこのレストランで再会して、ブログを見たら去年は10月30日だったんじゃない、ってわかったからです。

あれからわたしはこのアップステアーズにはNYにいるときは毎週多いときは3回は来ていて、その間、デイヴィッドはテストキッチンができてそっちに忙しくて行っちゃってるし、しかしアップステアーズは懐石シェフの三上マスターが相変わらず孤軍奮闘。最近は混乱していたサービスもなんとなく客にまではあからさまに混乱してるとはわからない程度に落ち着いてきて、そんでこの2年目の秋を迎えています。

本日は7時半からひとりで訪問しました。
ロングアイランドのビールを頼んだら、すかさず三上さんが居酒屋のごとくお通しを出してくれましたが、これがあなた、ホタテのヒモと身とを粕で和えたもの。これがなんとも甘くて、じつはこれですでに腰砕けになりました。たった30gほどのお通しですよ。

おまかせは秋めいて、あるいは本日はなんと気温13度しかなくて。そのせいかときに冬めいてぽかぽかするもの。
さんまを味噌と醤油で二度漬けしたものや、マナガツオを麹と酒と塩で〆たものとか、焼きも充実していましたが、わたしはそば団子というかそばがきというかそばニョッキというか(そば8割に白玉粉2割でこねたものだそうです)、それをだしで温めなおして牛蒡と青ネギで調味して、そんで例のトリュフのピュレの入ったとろみ汁を掛けてお椀みたいにしていただく、これで砕けた腰が元に戻ったほどに生き返りました。

和食ってのはね、ふつう、ひととおりぜんぶ味わったことのあるものしか出ないからよほどじゃないと驚かない。その点では日本人の客には不利だ。でも、不利だとか勝ちだとか負けだとか、そういうのはいいの、もう。そんな気分になれば上出来じゃないですか。そんで、ここはそういう店なんです。

で、それでフェラン・アドリアご一行様4人が10時に登場。だーれもウェイティングスタッフ、それが彼だとは知らずに「予約持ってるのか?」って、おいおい、そりゃ失礼だろー。私ちょーどカウンターのいちばん入り口寄りにいたので「あ、フェラン!」って気づいてご挨拶。おいおい、マネジャーのジョエルはどこだ、おまえ、そんなメニューなんか見せるなこのひとに、って差配して、テーブルに着かせるや、こんどばかりはフェランが何者かを(去年の訪問で)知っていた三上さんも、はりきって他の客と同じお任せコースを(笑)お出ししたわけですわ。

本日は最初は鴨と焼きなすね、それから松茸の土瓶蒸し。それからセザールがなんか本店から持ってきて、次に三上さんからサンマとマナガツオ、で、さんまはちょっと浸かり過ぎてしょっぱかったからたっぷりおからをまぶして出したら、「これは何だ?」ってご一行様、ご質問です。そんなこんなで、またまた楽しく1時近くまで。

今日は久しぶりに(パリ以来)ヴァンサンにも会えたし、パティスリーのアレックスにも会えたし、新しいソムリエのオリヴィエにも(これは本店からわざわざフェランにサーヴに来たんだが)会えたし、ま、よかったんでないかい、って、もちろん、おなかいっぱい、幸せな夜でありました。

フェランは来週月曜日、つまり9日にテストキッチンに来るという。わたしもちょっと仕事があってテストキッチンにお昼から行くことになっていて、そのときにでもまた話ができそうです。

October 06, 2006

つる屋(松坂牛肉焼き)

2006-9-20

松坂牛肉焼 つる屋

〒150-0002
東京・渋谷2-8-1 森ビル1階
TEL 03-5467-2989
http://2989.cc

つる屋.jpg

いやはや、ここはなんともレーティングしにくいなあ。とんでもない店です。とにかく産地直送の松坂牛。ホンモノっすよ。特選松坂牛コースってのが5250円。これ、普通ならステーキ1枚も無理。なのにおそらく肉の等級付けで上から3番目とか4番目(っていってもすごいんだよ)の極上のサーロインからリブロースからヒレから真玉から鞍下からカルビから内蔵から何から何までどんどん来るわ(薄くなんかないのよ!)、おまけにキムチやナムルも付く(けど韓国焼肉屋ではない)。いったいどうしてこの値付けでやっていけるのか、私にはどうしても理解できない。店長さんは(これがまたあーた、岩城滉一から嫌味を除去したようなイケメンでさあ!)、産地でお肉屋さんをやってるっていうんだけどね、どうしたって無理だと思うような充実ぶり。いやいや、この日は男女7人で行ったんだけど、そのせいもあるのかなあ、きっとおまけ付きだよなあ。そうじゃなきゃ信じられない。しかし楽しかった。ワインだってガバガバ空けて。ワインも5000円くらいからあります。

でこれらの松坂牛を備長炭で焼いて食す。
まずいわけがないですわ。

つまりね、どういうか、ここは北海道の素晴らしいお寿司屋さんみたいなんだなあ、って思いました。
とにかくネタ勝負。
もちろんネタを選ぶ眼力・技術は必要。しかしそのまま出す。その点では、この店は料理屋ではなく食べ物屋なんです。超一級の。それがコンセプト。だから畢竟、わたしのこのサイトでは☆はたくさんは付かない。
しかし、今回のこの1個の☆は、肉が食べたい、それも刺しのたっぷり入ったとろとろ牛を、ってひとには4つ☆みたいなもんです。最高ですわ。

ただし、こういっちゃバチが当たるが、ここを堪能するには体力というか、胃力というか、気力というか、出てくる松坂牛の意気に負けない根性が必要ですね。心構えなしに食べると負けます。

まあ、ほんと、すごい店があるもんだ。
お楽しみあれ。