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202 Cafe

2006-10-21
ブランチ・カフェ・バー
202 Cafe

Chelsea Market内
75 Ninth Ave. (bet. 15th & 16th Sts.)
Manhattan, NY 10011
TEL ; 646-638-1173

ここを訪れたのはひとえにこのカウンターでバーテンダーをやっているステファン(シュテファン)・トゥルマーのおかげです。彼はオーストリア人。お兄さんのアルバート(アルベルト)がブーレイ/ダヌーブで働いていた縁でニューヨークに来て、あの「座って300、食べて600、飲んで900ドル」で有名なタイムワーナーの寿司マサのバー・マサでバーテンダーをやってNYタイムズなどに注目され、その後、ブーレイ・アップステアーズのオープニングの半年間をあの混沌の中でマネジングを兼ねて任されていた人です。

このステファンのカクテルを求めてやってきたこの店、不思議な雰囲気なのは何というんでしょう、ブティークというかセレクトショップというか、店内には服やインテリア用品やキッチンウエアなどが売っていて、売り場面積としてはそっちのほうが大きいかしら。その空いた部分でレストランをやっている。ここはオリジナルの本店はロンドンにあるそうで、「202」という店名もじつはそのロンドンの住所からだそうです。

それで、ステファンはわたしがカウンターに座るといつもわれわれ日本人から知った「オマカセ」というシステムでカクテルのコースを振る舞ってくれます。これがいつもインプロヴィゼーションで、季節に合わせて果物を変え、酒を変え、それがいろいろと5杯も6杯も手を替え品を替え出されるものだから、お勘定のときにはすっかり出来上がっているという次第。みんな蒸留酒、リキュール系ですんでけっこう強いんですよ、飲み口はフルーツなんかですっごく飲みやすいんですけど(笑)。

ステファンはニューヨークでも5本の指に入るバーテンダーです。
店には日、月の休みを除いて4時から入るようです。
カクテルのお任せコースなんて、いいアイディアでしょ? メニューにはないけれど、酔っぱらう覚悟ができているならカウンターに座って「オマカセ、プリーズ」って言ってみたらいかが? おいしいんだから、これが。

この日はなんと、ハロウィーンが近いのでカボチャのカクテルを作ってくれました。これがあなた、いやはや、カクテルとして完成品です。うまい。シナモンとカボチャのピュレと、あと、わかりません。でも、それらをシェイクしてライムの酸味で締めるんですね。いやいや、おみごと。これからは寒くなるから温かいカクテルを作ってくれるんじゃないかな。オーストリアとかドイツとかにもあるでしょ、そういうの。ワインをあっためたやつとかね。

ちなみに、ここはNYのベスト・ブランチを提供するレストランとしてタイムアウト誌がお墨付きを与えています。でね、ほんと、定番のブランチもいいけど、夜もバー・スナックがすっごくきちんとしているんですよ。おいしいの。フィッシュ&チップスとかクロックムッシューとか、それにカレーライス!

シェフは女性だそうです。バースナックだけではなく、ちゃんとしたポーションでのディナーもあります。日替わり(?)週替わり(?)の魚料理も、こういっちゃなんだが、すごく考えられていて驚くくらいうまいんですわ。カリッと皮目を焼いた中がほっくりのシーバスなんかがブロスなんかに浮かんでいるとかね。これはカフェの片手間の料理じゃありません。隣のブッダカンなんかに行くより、わたしはこちらをこそ料理と呼びたいです。おしゃれなチェルシーのはずれの、おしゃれな空間。ふと立ち寄るリストに入れておいてよい店でしょう。
☆の価値はあります。

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