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副大統領ディベイト&ルイジアナ

いやあ、チェイニー対エドワーズ、闘志むき出しの気迫いっぱいの討論でした。最初っからビシバシ火花が飛んでいましたね。ケリー対ブッシュの先週の討論が霞むくらいに両者真っ向からがっぷり四つ、90分間、わたしはまさに息を詰めてみていました。

とはいっても内容的には目新しいことはあまりなかったんですがね、でも、ケリー対ブッシュのときと同じように、ずっと両陣営の主張をトラックしているわれわれジャーナリストでもない限りはこういうふうにまとめて真剣に主張を聞く機会なんてふつうは初めてでしょうから、これでいいんだとおもいます。その意味では両者の口からぼこぼこ数字は出てくる、相手陣営を具体的に貶める、売り言葉に買い言葉もあって、じつに面白かった。

これは両者引き分けでしょう。でも、あの史上最強の副大統領を相手に引き分けに持ち込んだエドワーズがよくやったと見られるかもしれません。

面白かったのは、両者、同性婚に関しては意見は割れなかったということです。
ゲイの娘を持つチェイニーは、そのマリーさんが聴衆の中にいたということばかりではなく、本来はそんなものを憲法で禁止するなんていうブッシュ政権の方針には政治家としてよりも父親として組みしがたいところがあったんでしょう。エドワーズが「娘さんのこともあろうから、これに関しては副大統領も同じ思い(憲法で禁止すべきではないということ)だと思います」と言ったに対して、30秒の持ち時間があったにもかかわらず彼は単に「ありがとう、わたしの家族のことを気にかけてくれて」とのみ答えるだけでした。対してエドワーズも了解済みという顔で頷きながら「You are welcome」を何度も繰り返していました。

そんなこんなで1時間半が濃密に流れていきました。
じつはそれ以前に、今日は大きなニュースもあったのです。

バディの今月号にも送ったルイジアナ州での州憲法修正による同性婚の禁止なんですが、締め切りはもう終わっていて書き直せないんですけど、これは先月半ば、78%もの賛成多数で憲法修正が決まった。ところがきょう、判事がこの住民投票による憲法修正は無効だと判断したんですね。

とうのも、この修正条項には二つの違う目的が含まれていて、それを同等に禁止することが住民投票として正確にある一つの民意を反映しているとは言えない、というのが理由なのです。

じつはこの憲法修正で禁止するのは「同性婚」と同時に「内縁関係(civil union)」とも書かれていて、本来はこの二つを別々にして州民投票にかけなければならなかった、という論理なんですね。

なるほどね、その辺の法律的な精確さに欠けたということか。まあ、わたしは知りませんでしたが、言われてみればそのとおりです。

11月の大統領選挙のときには同時に総選挙も行われるし、同様のゲイ結婚禁止のための州民投票もほか11州で実施されます。

この政治へのダイナミズムは、ほんと、アメリカっていう国を面白くさせていますね。
特に今回は若い連中がとっても意欲的に投票行動に出ようとしています。ケリー・エドワーズが勝つようなことがあれば、これはクリントンの時と同じように若者票が重要な要因となるはずです。

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