November 08, 2017

おもてなし外交のウラ事情

ビル・マーというコメディアンが面白おかしく且つ辛辣に政治批評を展開する「Real Time with Bill Maher」というHBOの人気番組があります。先週末のその冒頭は、拍手喝采の中で登場したその彼が「いや、みんななんでそんなにご機嫌なのかわかってるって。ついさっきトランプがアメリカから出てったからね」と口火を切りました。ハワイとアジア歴訪に旅たった大統領を揶揄したものです。「ずいぶん気が楽になった。子供たちをサマーキャンプに送り出した親の気分だ」と。

軽口はまだ続きます。
▼12日間のアジア旅行。トランプに、あんたがいなくなったら一体この国の面倒は誰が見るんだと誰かが聞いたらしいんだが、トランプが言うには「誰だっけ? 俺がいる時には?」
▼訪れるのは中国、日本、フィリピン、ヴェトナム、韓国......トランプの「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」の帽子を作ってる国だ。
▼中でも中国は重要だよ。トランプはあそこに壁を視察に行くわけだから。あの壁(万里の長城=the Great Wall)のおかげで、あそこでメキシコ人の姿はもうずっと見ていない。あの壁はすごい。
▼それからヴェトナムだね。彼が昔、徴兵逃れで行かなかった国。それで今度はやっと大統領として行けたわけだ。誰だっけ、ドジャーズが負けたって言ったのは? (ドジャーズは「身をかわす人たち」の意味。つまり「徴兵回避の人たち」。ナショナルリーグの優勝決定戦で負けてワールドシリーズに行けなかったドジャーズに掛けて、実世界のドジャー=徴兵逃れのトランプはちゃっかり負けていないという皮肉)
▼ハロウィーン、子供たちに何を配ったかは知らんが、ロバート・モラーの家では起訴状が配られたね。
▼ニューヨークのテロ。トランプが即座にツイートしてた。「バカで弱腰の大統領のせいでこうなるんだ。あ、ちょっと待て、今の大統領は俺だった」
▼ツイッターの従業員が退職最後の日にトランプのツイッターアカウントを11分間、消した。まあ色々あるが、私はその彼に言いたい。「Thank you for your service! (お務め、ありがとう!)」

その話にもあったロシアゲートですが、今週はマナフォートの次にあのマイケル・フリンが息子ともども逮捕・起訴されるという観測が出ました。ワシントン・ポストはトランプ周辺の計9人が選挙中及び就任移行期間中にロシアと接触したと報じ、大統領は大変な不機嫌の中で旅立ったとされています。そのせいか、エアフォース・ワンの中での同行記者の質問「今や中国の中で権力基盤を固めた習近平は世界で最も力のあるリーダーではないかと言われるが?」に、トランプはムッとしたのか「So am I(オレも同じだ)」と答えたそうです。常に誰かと比較して自分を位置付ける、そういう性格なのでしょう。

そんな中での日本の「おもてなし」でした。イヴァンカへの歯の浮くようなチヤホヤした日本のTVカヴァレッジはアメリカでも報道されましたから父親も知っていたでしょう。とにかく日本はこの親子に対してとても気分がいいようです。世界で日本だけです。ゴルフ接待もそうでしたが、安倍=トランプの個人的な蜜月ぶりをことさら強調してウキウキしている国は。昨年11月の当選後真っ先にトランプ・タワーを訪れた安倍首相一行にしても、実はトランプ陣営もそんなに早く来るとは思っていず「慌てて断ろうとしたがすでに機上の人でキャンセルできなかった」というエピソードをトランプ自身がジョークとして披露するくらい"ブッチャケた"仲なのです。

それはいずれおそらくは米国務省の対日外交にも影響し、「大統領とアベがああも仲がいいのだから」と、日本にそうはきつい政策は取らないでおこうとの「忖度」が働くかもしれません。しかしそれは今回はまだ十分ではなかったようです。

2日間にわたる会談を終えて共同記者会見に臨んだトランプは日本の経済を称賛し、そこでアドリブに転じて「I don’t know if it’s as good as ours. I think not, okay?(だが我々の経済ほどいいかはわからない。私は違うと思うよ、オーケイ?)」とすかさず自国民へのメッセージに変えました。

ワシントン・ポストはこの「オーケイ?」をまるで子供にウンと言わせる時の親の口調、と評しています。「And we’re going to try to keep it that way. But you’ll be second.(我々はずっとそのまま(1位)でいるつもりだが、でもキミたちが2番手なのは確かだ)」とトランプは続けました。安倍首相は隣でニヤニヤと曖昧に笑っていました。

もう1つ、この仲の良さの歪つさが垣間見られた時がありました。トランプが「アベ首相が米国からより多くの兵器を購入すれば、北朝鮮のミサイルを上空で撃ち落とせるだろう」と言った時です。「重要なのは米国から大量の兵器を買うことだ。そうすれば米国で多くの雇用が生まれ日本には安全をもたらすだろう」と。

今夏の北のミサイルの日本"上空"通過の際に「日本はなぜ撃ち落とさなかったのか」とトランプが言っていた、と報じられたのはこの伏線だったのでしょう。もちろん高度3500kmは「上空」でも「領空」でもない宇宙空間で、撃ち落とす権利や能力はどの国にだってありません。けれど安倍は「日本の防衛力を拡充していかなければならない。米国からさらに購入していく」と鸚鵡返しに応じました。それはまさに「100%共にある」と言った日本の首相の言葉通りの姿勢であり、それが米国民向けのプロパガンダであることも容認するお追従ぶりです。

もちろんそれには裏事情があります。日本の保守や右翼が純粋な国家主義と親米という相矛盾するねじれた2本柱で成立しているのは、戦後日本で民主的で平和的でリベラルの象徴のような憲法を作りながら一方で冷戦の暗雲が立ち込めた時にそのアメリカ自身が戦前戦中の守旧派政治家や軍人や右翼フィクサーを「復活」させた「大恩人」だったからです。戦後の民主平和国家は、一方で防共の砦として右翼と保守とが政治の表と裏の両方の舞台に配置された国へと変貌させられていたのです。岸信介や児玉誉士夫のことを思えばそれは容易に得心できるでしょう。

そんなねじれが安倍首相に見事に受け継がれています。どんなことがあってもアメリカの機嫌を損ねたら自分の権力が危ないことを、彼はまさに岸信介から教わったのです。たとえそれが彼の被害妄想であったとしても、その彼が今の日本の最高権力者。最高権力者の妄想は最高に強いのです。

こんなにおカネを使って「おもてなし」をしたのはそういう事情です。売り込みに当たっては日本の都合など斟酌せずにどんどん「アメリカ・ファースト」で押し通すのがトランプの勝手な「国益」だと重々知っていても、それを隣でニヤニヤ笑って受け止めるしかない。それでもせめてもどうにか”ご斟酌”していただきたいと、「お土産外交」「おもてなし外交」を懸命に展開しているわけです。外交というゴリゴリにパブリックな交渉を、プライベートな場に引き込んでどうにかできると考えるのはあまりに日本的でナイーブな話なのですが、安倍サイドにはそれしかすがるものがないのでしょう。実際、共同記者会見の二人を見ていて、私はついひと月余り前の米自治領プエルト・リコの知事とトランプの共同会見を思い出していました。

9月20日のハリケーン・マリアの上陸で甚大な被害を受け全島停電にまで陥り、すがるものと言ったら米国大統領だけという悲惨な状況の中、知事はそれでも2週間経ってやっとやってきたトランプを歓迎し窮状を訴えました。けれどかの島は今も復旧ままならず、今も停電下の生活を強いられている住民は多く、劣悪な生活環境は続いています。トランプは、自らに関係のないことにはかくも無頓着かつ他人事の対応しかしない。あるいは、自分に都合が悪くなると「友情」であってもなんであって、さっさと排除してしまうことは、これまでにクビを切られた(そしてこれからクビを切られる)異様な数の閣僚たちのことを思い出せば明らかでしょう。

NYタイムズはタクシーの後部座席から運転手の安倍首相に拡声器でバンバン命令するトランプ大統領の風刺画を載せましたが、欧米メディアにはなべて日本が米国の従順で都合の良い下僕のように映っている。それは今回の訪日でほぼ確定した日本像、安倍政権像となりました。イメージ戦略として失敗ですが、それもしょうがない。レッテル貼りだ、印象操作だ、などと抗弁しようにも関係ありません。そしてその間もホワイトハウスからはロシア疑惑や歴史的低支持率を吹き飛ばしてしまおうという「北への武力行使準備」のキナ臭い情報が聞こえ続けているのです。デビュー間もない村上龍が著した『海の向こうで戦争が始まる』という小説の題名が、私の頭のどこかで微かに明滅しています。

October 31, 2017

アジア歴訪前に窮地のトランプ、次の一手は?

11月8日は「トランプ当選」が決まったあの選挙からちょうど1年。政権は相変わらずツイッターでトランプ節炸裂の大統領と、その後始末に相努める実務派幹部たちとの奇妙かつ絶妙なバランスの上で"安定"した低支持率を保っています。

「安定」と書きましたが皮肉ではありません。傍から見るとデタラメに聞こえるトランプ節ですが、これが支持の中核層に絶え間なくエネルギーを注入している。これが続く限り支持率は決定的に下がることはない、というか最初から低い値だったのですが、意外と3割からは下がらないので今を迎えているのです。

10月末のNBC/WSJの最新共同調査が出ました。トランプ大統領への支持は38%、不支持は58%と不動の不人気なのですが、これまでも他の調査では32%という数字が出たこともあります。38%はこの調査では過去最低ですが、まだまだ底値までは余裕があります。しかし問題はむしろ、この調査で現れた民主党支持層では10人中9人までが不支持(支持7%、不支持89%)で、共和党支持層では10人に8人までが支持(支持81%、不支持17%)という大分断の方です。この合わせ鏡のような対称性がどんどん鮮烈になっています。方やトランプがやることなすこと全部ダメ、方や全部オッケーという真っ二つなのです。

これまでの政権の実績を見てみると、オバマ政権のすべてをひっくり返すような意欲満々のツイートとは裏腹に、オバマケアは今も潰されずに機能していますし、メキシコの壁もサンプルは出来たが予算から言っても建ち並ぶ未来の景色は見えてきません。現在は法人税と個人所得税などの大幅減税公約が焦点になっているのですが、トランプ政権の示すような減税を実行したら財政破綻すると、共和党内部からも異論が続出。おまけに財源確保策として出ているのは地方税額を連邦税の控除対象にしないとか確定拠出型年金の非課税枠を小さくするとか、どうしたって「普通の人たち」の生活を直撃するような内容。いわばそんなヤバい内情を見せないがために、ツイートでさんざん景気の良い話や自慢話を続けているようなものなのです。そうして共和党の本流からは公然とトランプ批判、というかほとんどサイコパス、ソシオパス呼ばわりみたいな非難までもが聞こえ始め、対するトランプも「類い稀な見事なカウンター・ファイター」(最近のスティーヴ・バノンのトランプ評)ぶりを見せて悪口の限りを叫びあげ、それで支持者たちが拍手喝采するというパタンが繰り返されているのです。

しかしなぜそんなことがうまく行っているのか? それはひとえに株価がずっと上昇しているからです。文字通りの景気の良さ(というか好調な株価)を背景に、この政権への全面的な不信にはまだ至っていない。前述の調査でも、トランプの対応に対して支持するという人が不支持より多かったのは、「テキサスやフロリダでのハリケーン被害対応」(48%対27%)と「経済」(42%対37%)の2項目だけだったのです。

つまり逆を言えば、この株価、経済が崩れたら、トランプ政権はあっという間に見限られるということです。

だとすると、北朝鮮問題はどうなるのか? 株価維持のためには軍事的暴発は絶対に回避しなくてはなりません。一方で軍事行動は支持率回復の魔法の杖。まるでその布石のように米国ではまた対話派のティラーソン国務長官の解任説が燻り続けています。5日の日本から始まるアジア歴訪で、トランプ大統領は北朝鮮への予防的先制攻撃を根回しするのでしょうか?

そんな中、とうとうモラー特別検察官によるロシア疑惑の強制捜査が動き出しました。昨年8月までトランプ陣営の選挙本部長だったポール・マナフォートとその友人のリック・ゲイツが昨日30日、正式起訴されました。罪状は、2006年から2015年にかけてウクライナの親ロシア派政治家ビクトル・ヤヌコビッチ前大統領とその政党の「未登録代理人」として活動していたことを背景に、オフショア口座を使った巨額の資金洗浄を共謀して私腹を肥やした罪や、外国組織の代理人として未登録のまま活動したなどというものです。

そしてそこに、トランプ陣営とロシアとをつないだ若いエネルギー・外交顧問ジョージ・パパドポウロスもFBIに対する偽証罪による起訴として連なっていることがわかった。その彼の情報が今回の捜査の端緒として重要な役目を果たしているとみられているのです。

彼はすでに7月に逮捕され、10月5日には罪を認めて司法取引をした。偽証罪というのは色々罪を免れるために事情聴取に対して嘘の弁明をしたということで、けれど最終的に彼はそれを認め、今度は一転、自分の罪を軽くするために当局に彼の知る本物の情報を渡すことになった、ということです。捜査の突破口として、彼の証言から捜査はまだまだ拡大・進展するでしょう。何せパパドポウロスは、選挙期間中に接触したロシア政府関係者の通称「教授」や自称プーチンの親戚の「ロシア人女性」との密会を、逐一トランプ選対本部の「スーパーバイザー(管理者)」に報告しているのですから。

さてこうなると、冒頭に触れたトランプ大統領の支持率の底値30%が揺るぎ始める事態が早晩訪れることになります——支持率回復のために、この大統領は次にいったい何を考えるのでしょうか? 日本の安倍首相は、そんなトランプ大統領へのどんな力添えの言葉を準備しているのでしょうか?

October 12, 2017

The Storm (2017 BET Hip-Hop Awards Cypher Verse)

今年のBET(Black Entertainment Television)のヒップホップ・アワードでエメネムが登場してドナルド・トランプを激しくdisりまくるフリースタイルのラップを披露しました。

何て言ってるか、ざっと訳してみました。もちろんラップなんでちょっとわかりづらいところがあって、誤訳してるかもしれないけど、まあ、こんな感じだと思ってください。ちなみに訳してるのは意味であって、「韻」は踏んでません。あしからず。

これ、どうやったら動画をここに縁ベッドできるんだっけ?
思い出したらトライしてみますが、とりあえず今は文字だけで。


***
[Intro]
It's the calm before the storm right here
嵐の前の静けさってこのことだな

Wait, how was I gonna start this off?
あれ、どう始めるんだっけ?

I forgot… oh yeah
忘れた、ああ、そっか

[Verse]
That's an awfully hot coffee pot
ひどく熱いコーヒーポットがあって

Should I drop it on Donald Trump? Probably not
ドナルド・トランプにぶっかけるべきか? いや違うな

But that's all I got 'til I come up with a solid plot
いや、それしか思い浮かばない、マジにやること決めるまで

Got a plan and now I gotta hatch it
やることはある、いまはそれを考えてるとこ

Like a damn Apache with a tomahawk
トマホーク持った凶悪アパッチみたいに

I'ma walk inside a mosque on Ramadan
ラマダンのモスクに歩いて入るんだ

And say a prayer that every time Melania talks
そんでメラニアがなんか言うたびに俺は祈りを口にする

She gets her mou— ahh, I'ma stop
彼女はフェラ──いや、そりゃ言わねえ

But we better give Obama props
それより俺らはオバマを褒めるべき

'Cause what we got in office now's a kamikaze
だっていまホワイトハウスにいるのはカミカゼだぜ

That'll probably cause a nuclear holocaust
多分そいつが原爆ホロコーストをおっ始める

And while the drama pops
ヤバいことが持ち上がれば

And he waits for shit to quiet down he'll just gas his plane up
そのクソみたいなことが静まるまでの間、あいつは自分の飛行機満タンにして

And fly around 'til the bombing stops
空爆が終わるまで空の上でぐるぐる待ってるわけだ

Intensities heightened, tensions are rising'
激しさは増し、緊張が高まる

Trump, when it comes to givin' a shit, you're stingy as I am
トランプ、肝心な時にテメエは俺みたいにケチくさい

Except when it comes to havin' the balls to go against me, you hide 'em
俺に喧嘩売るキンタマが必要な時以外、テメエはそれを見せもしねえ

'Cause you don't got the fuckin' nuts like an empty asylum
なぜならテメエにゃもともと糞タマタマがねえからだ、もともと空っぽの避難所よ

Racism's the only thing he's fantastic for
奴の得意はレイシズムだけ

'Cause that's how he gets his fuckin' rocks off and he's orange
そうやって差別こいてセンズリこいて絶頂こいて、オレンジ色の

Yeah, sick tan
ああ、薄気味悪い日焼けクリームの赤ら顔

That's why he wants us to disband
奴にとっちゃ俺らが繋がってちゃまずいわけ

'Cause he can not withstand
だって奴がいちばん嫌いなのは

The fact we're not afraid of Trump
俺らはトランプなんか怖くないって事実

Fuck walkin' on egg shells, I came to stomp
綺麗事なんか言うか、俺は蹴り倒しに来たんだ

That's why he keeps screamin', "Drain the swamp!"
だから奴は悲鳴を上げ続ける、「沼から水を抜け!」【訳注:「ワシントン政界を浄化しろ」との選挙スローガン】

'Cause he's in quicksand
なぜなら自分が泥沼にはまってるから

It's like we take a step forwards, then backwards
まるで俺たち一歩進んで、一歩戻っての繰り返し

But this is his form of distraction
だがこれが奴流の話題そらし

Plus, he gets an enormous reaction
おまけに大受けするから調子に乗るし

When he attacks the NFL, so we focus on that, in—
NFLを攻撃したのも、俺らがそっちに目をやって

—stead of talkin' Puerto Rico or gun reform for Nevada
プエルトリコのハリケーンだとかネヴァダの銃規制だとかから目をそらさせるため

All these horrible tragedies and he's bored and would rather
こんなひどい悲劇が続いても奴は退屈でそれより

Cause a Twitter storm with the Packers
パッカーズの悪口ツイートの嵐の連投

Then says he wants to lower our taxes
で俺らの税金を下げるっていうんだが

Then who's gonna pay for his extravagant trips
じゃあ奴の贅沢三昧の旅費は誰が払うんだ

Back and forth with his fam to his golf resorts and his mansions?
家族ぐるみで自分のゴルフ場や豪邸に行ったり来たりの

Same shit that he tormented Hillary for and he slandered
さんざんヒラリーをどついたくせに同じネタを自分でやって

Then does it more
それからもっとひでえこと

From his endorsement of Bannon
バノンにお墨付き与えたり

Support for the Klansmen
KKKの奴らを支持したり

Tiki torches in hand for the soldier that's black
火をつけた人形を手に、イラクから祖国に

And comes home from Iraq
帰った黒人兵に見せつける

And is still told to go back to Africa
彼は今も言われてるわけだ、アフリカに帰れ、と

Fork and a dagger in this racist 94-year-old grandpa
この94歳のレイシストのジジイ【訳注:トランプのこと】の中には熊手と短刀

Who keeps ignorin' our past historical, deplorable factors
奴はずっと、俺らの過去の歴史、嘆かわしい出来事をなかったことにしたがってる

Now if you're a black athlete, you're a spoiled little brat for
で、もしあんたが黒人アスリートなら甘やかされた糞ガキ野郎ってことになる

Tryna use your platform, or your stature
自分の地位や名声を利用して

To try to give those a voice who don't have one
声なき連中の声を届かせようとしているってことで「糞ガキ」だ

He says, "You're spittin' in the face of vets who fought for us, you bastards!"
奴は言う、「我々のために戦った軍人たちの顔に唾を吐きつけるのか、このロクデナシが!」

Unless you're a POW who's tortured and battered
拷問されギタギタにされた戦争捕虜でもない限りは

'Cause to him you're zeros, 'cause he don't like his war heroes captured
なぜなら奴にとってはあんたはゼロだから 奴にとっての戦争のヒーローは捕まっちゃいけないものだから

That's not disrespectin' the military
あれは軍を馬鹿にしてるってことじゃねえ

Fuck that, this is for Colin, ball up a fist!
何言ってんだ、コリン(キャパニック)のために拳を握れ! 【訳注:黒人虐待に抗議してNFL試合での国歌斉唱で起立せず、契約保留になっているクオーターバック選手】

And keep that shit balled like Donald the bitch!
それを握ったままにしてろ、あばずれドナルドの丸める糞と同じく

"He's gonna get rid of all immigrants!"
「あいつは移民を全部根こそぎにしてくれる!」

"He's gonna build that thing up taller than this!"
「あいつはあの壁を今より高く作ってくれる!」

Well, if he does build it, I hope it's rock solid with bricks
そうかい、ならそれはレンガでガチに固めてほしいな

'Cause like him in politics, I'm usin' all of his tricks
なぜって奴が政治でやるように俺は奴のトリック全部を使って

'Cause I'm throwin' that piece of shit against the wall 'til it sticks
その丸めた糞をビタビタくっつくまでその壁に投げつけてやるから

And any fan of mine who's a supporter of his
だから俺のファンでもし奴が好きだってのがいたら

I'm drawing in the sand a line, you're either for or against
俺は砂の上に線を引く、おまえが賛成反対どっちにつくかってやつだ

And if you can't decide who you like more and you're split
それでもしどっちが好きか決められなくて

On who you should stand beside, I'll do it for you with this:
どっちの味方になるべきか股裂き状態なら、俺が代わってあんたに言ってやる

Fuck you!
死んでろ!

The rest of America, stand up!
そうじゃない方のアメリカ、立ち上がれ!

We love our military, and we love our country
俺らは俺らの軍を愛してる、俺らの国を愛してる

But we fucking hate Trump!
ただトランプはクソ大嫌いだってことよ!

October 09, 2017

ティラーソン解任?

先週、ティラーソン国務長官に関するニュースがいくつもメディアに登場しました。7月に囁かれたティラーソン辞任説に関してNBCが再調査し、彼がトランプを「モロン(低脳)」と呼んだと報じたのが端緒でした。7月のボーイスカウトの全国大会のスピーチでトランプが場違いにも「フェイク・メディア」やオバマケアをこきおろしたりワシントンの政界を「汚水場」呼ばわりしたりする政治発言を続けたので、ボーイスカウトの全米総長でもあったティラーソンが激怒して「モロン」発言につながったというわけです。ティラーソンって人は少年時代からボーイスカウトに参加してイーグルスカウトにもなったことを誇りに思っている人です。そんな場に政治を持ち込むこと、しかも自分の自慢ばかりするような政治演説をしたことが赦せなかったのでしょう。

息子の結婚式でテキサスに行っていたティラーソンはもうワシントンに戻らないと伝えます。この時はマティス国防長官や現首席補佐官のジョン・ケリーが「ここであなたが辞任するような政権混乱はどうしたってまずい」と慰留に成功しはしたのですが、さて今になってまたティラーソンが辞めるのでは、あるいは解任されるのではという観測が持ち上がっているのです。

特に4日、乱射事件のラスベガスに訪問してワシントンに戻ったトランプが自分のニュースを期待してテレビを見たら、そこではティラーソンの「モロン」発言で持ちきり。トランプは激怒し、それをなだめるためにケリーは予定の出張をキャンセルして対処したとか。しかしティラーソンはその後の"釈明"の記者会見でも大統領を「スマートな(頭の良い)人」と言っただけで「モロン発言」自体は否定はしませんでした。ホワイトハウス内の情報源によれば、2人の間はもう修復不可能だというのです。

報道はそれにとどまりません。ニューヨーカー誌はティラーソンの長文の人物伝を掲載。これまでの輝かしい経歴からすれば彼が「今やキレる寸前」でもおかしくないと思わせる感じの評伝でした。さらにはティラーソンとマティス、そして財務長官のムニュチンが3人で「suicide pact(スーサイド・パクト)」を結んでいるという報道もありました。3人の中で誰か1人でも解任されたらみんな揃って辞任するという「心中の約束」のことです。6日にはAXIOSというニュース・サイトで、トランプがティラーソンの後任に福音派の共和党右派政治家であるポンペオCIA長官を当てようとしているという報道がありました。

ちなみにポンペオは全米ライフル協会の終身(生涯)会員で銃規制に反対、オバマ・ケアにも強く反対ですし、オバマ政権がCIAの”水責め”などの拷問(強化尋問)を禁止したことに対しても、拷問をおこなったのは「拷問者ではなく、愛国者だ」と発言するほどの反イスラムの「トランプ的」人物です。

こんなにまとまってティラーソン国務長官のことがいろんな角度で報じられるというのは、メディアがいま彼の辞任・解任に備えて伏線作り、アリバイ作りをしているという兆候にも見えます。

そうなると問題の1つは北朝鮮です。表向き「核を放棄しない限り対話はない」と強硬姿勢一枚岩だったトランプ政権ですが、その実、ティラーソンの国務省が北朝鮮側と様々なチャンネルで対話の機会を探っていることが最近明らかになっていました。それに対してトランプが7日、「25年間の対話や取引は無に帰した。アメリカの交渉は馬鹿にされている」「残念だが、これをどうにかする道は1つしかない」とツイート。軍事行動を暗示して「今は嵐の前の静けさ」とも言ったのです。

私はこれまで、トランプ政権が「グッド・コップ、バッド・コップ(仏の刑事、鬼の刑事)」を演じ分けて北朝鮮をどうにか交渉の席につかせようとしているのではないかと、希望的に願ってきました。けれどこうしてティラーソンとトランプの不仲が表面化してみると、本当にカッカして北を潰そうと言うトランプを国務長官、国防長官、首席補佐官がマジになだめ抑えている、という構図が本当だったかもしれないと思い始めています。上院外交委員長でもある共和党コーカー議員がトランプを激しく批判しているのも、そんなティラーソンの国務省の姿勢と符合しています。

彼はNYタイムズの電話インタビューに「ホワイトハウスが今毎日毎日トランプを抑え込むのに苦労していることを知っている」などと語ったのですが、そもそも攻撃したのはトランプの方が先でした。コーカーはティラーソンに関して「国務長官はとてつもなく腹立たしい立場に立たされている」「国務長官は得るべき支援を得られていない」と擁護したのです。上院外交委員長として国務長官(外務大臣)を思いやるのは当然の話ですが、例によってトランプはコーカーへのツイート攻撃を開始したのです。まるで坊主憎けりゃ袈裟まで、みたいな攻撃性です。

ティラーソンが解任されたら北への軍事攻撃の恐れが一気に現実味を帯びます。北は自滅につながる先制攻撃を絶対に仕掛けません。けれどトランプは単に自分のやり方じゃないといって予防的な先制攻撃を仕掛けるかもしれない。そのとき日本はどうするのか? いや、その前に日本は何もしないのか?

22日の総選挙はそんな「兆し」だけでも大きく安倍自民党に有利に動くかもしれません。まさかそれを見越して安倍は「対話は何も役に立たない」とトランプをけしかけていたわけじゃないでしょうが。

September 05, 2017

横綱の折伏

北海道南端を超えてのミサイル発射、1年ぶりの地下核実験、立て続けに示威行為を繰り返す北朝鮮は9日の建国記念日にも今度は射程のうんと長いICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験に踏み切ると言われています。その度に米韓日では新たな脅威が増大したと大騒ぎになるのですが、何度も言うようにこれは「新たな」脅威ではなく、ずっと以前から織り込み済みの北側の既定の挑発路線です。

織り込んでいなかったのはその早さです。本当はもっと時間がかかるはずだと思っていたICBMへの小型核弾頭の搭載が、ともすると直近に迫ってきているかもしれない。そしてそれはアメリカ政府の「レッドライン(踏み越えてはならない一線)」と言われてきたものなのです。

なのでトランプ政権の対北朝鮮の空気がやや変わってきました。朝鮮半島では禁じ手である武力行使に踏み切るかもしれないという嫌な感じが漂っています。何せ「核保有」は体制の必要条件であり、制裁があろうがなかろうが絶対に手放さないと決めている金正恩と、それに屈する形での「核保有」は核保有の連鎖を生むために絶対に認められないアメリカとの間で、解決策はどこにも見当たらないという感じになっているからです。この手詰まり感、「後手後手」感……。

北朝鮮に対しては米国は「圧力」「対話」「軍事行動」という3つの選択肢があると言われています。軍事行動は23年前の第1次北朝鮮核危機に際してクリントン政権が「韓国側の死者が100万人、米軍が10万人」という国防長官の報告を受けて断念、その後もブッシュ政権が02年に先制打撃を検討しましたが実行に至りませんでした。二の足を踏んだ理由である米国同盟側の損害の甚大さ予測は、北の軍事力の増強と比例して現在はさらに拡大し、三の足も四の足も踏むような状況です。

そこで米国は国連の場で北への経済制裁を呼びかけ、中露を巻き込んで「圧力」を強めるやり方に出ているのですが、それが功を奏するには時間がかかる。その間に北は核ミサイル開発を進める算段ですし、実際にこれまでもそうしてきました。

では「対話」はどうか?

米国にとってはこれは実は「対話」ではありません。これは「折伏(しゃくぶく)」なのです。金正恩に、その路線を進めるとどう転んでも自滅になると、詰め将棋のように理路を示し、折伏させる以外の場ではありません。

ところがいまトランプ政権は、国務省の東アジア担当の国務次官補は「代理」職で、しかもロシアが専門のスーザン・ソーントンです。国家安全保障会議にはマシュー・ポッティンジャーというアジア担当上級部長がいますが、彼も中国が専門。ニューヨーク・チャンネルで北朝鮮から例の脳障害の拘束大学生オットー・ワームビア(帰国直後に死亡)を連れ戻した国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表はあくまで実務担当で政治判断はできない。そればかりか国務省自体が予算と人員の大幅削減を強いられ、アジア担当の数百人のポストが空席のままなのです。つまり「対話」にしろ「折伏」にしろ、その場に出ていける人間がいないわけです。トランプ政権はそもそもやる気がないのか総身に知恵が回っていないのか。

「圧力」の効果は時間がかかり、「対話=折伏」には人材がいないしそもそも態勢も整えていない。ならば残されているのは再び元に戻って、先制打撃という「軍事力行使」でしかないのでしょうか?

アメリカは本来は土俵の中央でどっかと構え、北朝鮮に対して四つに組んでやるべきなのです。相手が猫だましをしてこようが蹴たぐりをかまそうが慌てる必要はない。そうして四つに組んでやって、相手が右に動けばそちらにちょっと動いて見せても結局は倒れず、左に引いても崩れず、さらにちょいと力を加えて相手の膝を折るぐらいのことはしてみせても決して倒したり土俵の外に投げたりはしない。何故なら土俵際の砂かぶりには韓国や日本や中国がいて、下手に投げ飛ばそうものなら彼ら全部が大怪我をするからです。なので土俵真ん中で「絶対に負けることはない」という横綱相撲を取り続けるのです。相手の面子を立てて「勝つ」ことはせずとも、そのうちに相手は疲れ、持っている技は使えず、横綱の「勝ち」は誰の目にも明らかになります。そしてそこで疲れ果てている相手の耳元に諄々と「自滅はやめろ」と説くのです。

それが北の核保有を認めるでも使わせるでもなく、しかも現状維持や凍結でもない「折伏」の道です。

それしか道がない。けれどこの横綱相撲の比喩を、それに似たソリューションを、トランプ政権は思いつくでしょうか? それより先に、国務省の予算削減と裏腹に国防総省予算の増大がここに来て嫌な感じの伏線になりそうな気までしています。そしてもう1つ、そこに追い討ちをかけるような北朝鮮によるEMP(電磁パルス)攻撃の脅しです。

電磁パルス攻撃によるアメリカの軍事インフラ、経済インフラ、生活インフラの破壊が、巷間言われるほどにとんでもないものなら、アメリカがこれを機に予防的先制攻撃に出るのは火を見るよりも明らかになります。それはロバの背を折る最後の1本の藁だからです。EMP攻撃被害の精確なアセスメントが急がれることになるでしょう。

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