« フォード、翻りました | Main | ホリデーズ・グリーティング »

千葉香奈子という売文奴

日刊スポーツ、12/20日付ハリウッド直行便に映画「ブロークバックマウンテン」のコラムが載っていました。

ゲイ恋愛映画がアカデミー賞本命に急浮上

千歳香奈子っていうロサンゼルスに住んでる自称「ライター」が、みすぼらしい文章をさらけ出しています。

たとえば、冒頭から
「いくつかの州では同性婚が認められており、日本に比べると同性愛がオープンなお国柄とは言え、「ゲイの恋愛」を真正面から描き、男性同士の濃厚ラブシーンもあるこのような作品が、アカデミー賞の本命となるのは少々驚きです。」

いくつかなんかありません。マサチューセッツ州だけです。「少々驚」いているヒマがあったら取材しなさい。プロなのですか、あなた、ほんとに。アルバイト気分でえらそうにコラムなんか発表していると怪我をしますよ。

さらにこれ、
「ゲイのカップルを演じるヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールは、共にもちろんストレート。」「しかし、作品の中での2人のラブシーンは、愛し合う恋人そのもの。ハリウッドにはゲイと噂される俳優も多いのですが、あえて完ぺきにストレートの2人をキャスティングしたことがうまく行ったように思います。もし、ゲイ疑惑のある俳優を起用すれば、観客は生々しさを感じ、思わずプライベートを想像してしまったことでしょう。」

ロサンゼルスに住んでるのに、「ギレンホール」って呼び間違えてはいけません。英語、話せるし、聞けるんでしょう? 毎日芸能ニュースで「ジレンホール」「ジレンホール」っていっているのを耳にしていないんですか? 日本で間違ってるのをそのまま使わないこと。正しく伝えることが物書きの第一歩。ほんとにあなた、LAで「ハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材」してるのですか?
それと、「共にもちろんストレート」「完ぺきにストレート」って何でしょう、それ。ロック・ハドソンなんかも、あなたからいわせても「もちろん完ぺきにストレート」だったんです。で、この「もちろん」の自信は、取材の結果? それとも間接情報? 噂?  セクシュアリティに関するその揺るぎない自信はどこから来るのです? そもそもストレートって何? 知ってるの、その「完ぺきに」曖昧な定義を? 男なんてね、木の又とでもできるんだよ。ま、「完ぺきに」ストレートな連中だけど。
それとさ、もう、あいもかわらず「ゲイ疑惑」って何でしょう。耐震構造計算偽装疑惑じゃないんですから、「疑惑」って日本語、使えますか、こういうときに? 文筆業やってるんでしょ。恥ずかしいでしょ? わかりますか、いってること?
さらに、「思わずプライベートを想像してしまったことでしょう」ってさ、それ、あなた、下品というんですよ、そういうの。下司っていうんです(漢字、読めるかな?)。そういう人に限って、ゲイ「疑惑」なんかなくても、想像してるんです、スケベなこと。ま、スケベでもぜんぜんいいんですけどね、それをニヤけて書くのはとてもみっともない。人間の知性と品性の問題です。

おまけに、
「さらに、ヒースもジェイクもなかなか良い! 特にジェイクのヒースを見つめる目は、本当に恋する目をしているのです。うっとりとした目で互いを見つめあい、キスを交わす。純愛であり、儚い恋だけにその悲恋ぶりがたまらない。淡々と雄大な自然の風景と共に描く手法も、作品を清々しさを与えています。」 ときた。

ほら、やっぱり想像してる。これ、ボーイズラブとかやおいの感想文と同じ、「夢見る乙女文体」ですもんね。
エッチな純愛を想像してるから、「悲恋ぶり」と「清々しさ」って、それ、いってること、整合しないでしょ、あなた、頭ん中。困ったもんだ。

千歳さん、「1972年3月29日 札幌生まれ。92年に渡米」ってさ、きみ、なに13年間もアメリカで見てきたの? ゲイの友達、いないの? いる? いたら、あんた、この文章、そいつに読ませられるか?

恥を知りなさい。
物書きは売文業ではあっても、無神経でいいはずはないのです。

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://www.kitamaruyuji.com/mt/mt-tb.cgi/266

Post a comment

(If you haven't left a comment here before, you may need to be approved by the site owner before your comment will appear. Until then, it won't appear on the entry. Thanks for waiting.)