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マッチポンプ

年金も、格差も、外国からの(軍事的)信用も、障害者自立支援法のとんでもない欠陥も、シャッター通りの疲弊も、農業の衰退も、環境悪化も、山野の荒廃も、珊瑚礁の死滅も、安倍の頓死も、政治不信も、そうして郵便ポストが赤いのも、みんなみんな、自民党の政治の下で起こったことで、それをネタにして「これじゃいけない」「改革だ」「私が全力を尽くして打ち込む」というのは、どーなんでしょう、そういうの、茶番というか、もっとはっきり言って、マッチポンプとかいうんじゃないでしょうか?

自分で火をつけて、火元にいちばん近いこの私が消してみせますと言って歓心を買う放火犯と同じということです。そういうの、通用するんですか? するんだろうねえ、この流れじゃ。でも、メディアがそれに対して無批判なのはどういうことなのでしょう。まあ、テレビは言論機関ではないからしょうがないのか。

日本にいないのでよくわかりませんが(これはじつに都合の良い便利なエクスキューズですわね)、メディア、とくにこちらで放送されているNHKもフジも、ニュースはいつも最初がこの自民党の総裁選挙でした。まるで朝青龍問題にすっかり取って代わったスクラム状態です。まあ中学生なら総裁と総理がどう違うのかよくわからないのも宜なるかな。しかしねえ。

もちろん自民党総裁が日本国総理大臣に直結するというのが集中報道の言い訳なんでしょうが、しかし、政治状況の変化の割には総裁選の報道のあり方があまりにお祭り的に旧態依然であって、現在のこの火急の時勢にまったく、無神経という印象です。だって、それこそ冒頭で書いた、放火消火犯そのものの演説を無批判に垂れ流ししているだけですからね。(でも、日本記者クラブでの福田・麻生両者の突っ込み合いはドキドキするくらい恥ずかしくて面白かったわ)

それも今日で終わって、福田の選出となるわけですが、時事がさきほどこんなニュースを配信しました。

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米艦、イラク戦使用の可能性=インド洋の海自給油活動で−自民・福田氏
(時事通信社 - 09月23日 13:11)

 自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官は23日午前のテレビ朝日の番組で、テロ対策特別措置法に基づき海上自衛隊がインド洋で給油した米国艦艇が、イラク戦争に参加した可能性があるとの見解を明らかにした。
 福田氏は「インド洋(で活動する米艦)と思っていたものが途中から『イラクに行ってくれ』ということも、あったかもしれない」と述べ、米国に情報提供を求める考えを示した。 
[時事通信社]

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このひと、いったいどこまで本気なんでしょうかね。テレビ中継されてた、二度繰り返しの「ねえ、麻生候補もおなじですよね、ね」という、あの、言うに事欠いて同意を求めるような哀願しどろもどろの結句といい、いやはや、この人に任せていたら、たしかに日本は軍事強硬策には出ないだろうなあという、平和ボケならぬボケ平和的な政治姿勢。

ひょっとしたら、福田の方が総理大臣にはいいかもしれませんね。イラク給油暴露発言も、あるいは確信犯なのかも。

さて、総裁選投票箱がいま開けられました(同時中継)。
ちょっと見ていましょう。

出ました。
総数528票 無効1票
福田 330票(うち地方76票 議員票254票)
麻生 197票(  同 65票  同 132票)

ということでした。
ふむ、やっぱり麻生、予想より取りましたね。
さて、福田総裁政権、いつまで持つのでしょうか。

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