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平井堅って

ニューアルバムのSENTIMENTALoversを聞いていたら、「鍵穴」でのけぞりました。
あまりにまんまで、もうちょっとひねればいいのに、とおもったけど、まあ、右曲がりってことでひねってるのかもね。

平井堅って、いろいろ縁があって、直接はまだ会ったことはないんだけど、彼のNYのアパートメントビルディングって私がいちばん初めに住んでいたところだったり、ビンビン話が入ってくる。まあ、どこまでほんとかは知らんが。

「鍵穴」でゆいいつ微妙なところは鍵穴を「新しい世界こじあけたい」「きみが隠してる鍵穴にジャックしたいな」と表現してるところでしょうか。女の子のカギ穴だったら、べつに「新しい世界」じゃないだろうし、「隠して」るわけじゃねえだろ、って感じの読みができる。でもまあ、まんまの解釈だからなあ、あんまり知的な重層性はないわけで。

平井堅の歌で面白いのは「even if」です。
あれ、カシスソーダとバーボンが出てきて、てっきり「ぼく」がバーボンを飲んでいて、終電で帰ってしまう「きみ」がカシスソーダを飲んでいると思ったら、最後の最後で、「残りのバーボンを飲み干して、時計の針を気にした」のは、「きみ」のほうなんです。逆なんですね。
これには、やられました。

そういうクイアリーディングができるのはあと、サザンの「恋のジャックナイフ」です。
これも、色濃くゲイです。桑田がこの曲を作った当時、やっぱりそういうLGBTへの応援歌を作ろうという時代の雰囲気があったんでしょうね。そういうものに、松任谷由実とか桑田とかはさすがに敏感なんだなあと思いました。

さて、例のジャーナリズムネットですが、またすこしメールが届いています。
うれしいことです。

そんな中、遅れていた今月のバディの原稿を昨日やっと出しました。
今回は、アメリカのジャーナリズムにおける最近のおかしな報道のありかたを取り上げました。

一つはマシュー・シェパード事件を先日、ABCの「20/20」が取り上げ直したその取材と報道の仕方についてです。「6年後の新事実」というその謳い文句のいい加減さについて書いています。
もう一つは同じく先日、ニューヨークタイムズが宮本亜門(こちらでいま「太平洋序曲」という彼による初の日本人演出ブロードウェイミュージカルが始まったところです)の人物紹介をやったその長文の記事の書き方のいやらしさについてです。

両方とも、なんともブッシュ再選以降のアメリカのジャーナリズムのろくでもなさを象徴するような報道でした。お読みくだされ

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