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酷評

宮本亜門の「太平洋序曲」が時事では「NYタイムズも大絶賛」とかってなっていて、え? と思ってもういっかいタイムズを読んでみたんだけど、やっぱりどう読んでもこれは酷評です。時事の記者は最初の段落しか読んでないんだな。それで「絶賛」となったんだね。ところがその批評文はどんどん辛辣になっていって、最後にゃ、「断片断片をまとめあげ、ソンドハイムが喜ぶであろう筆舌に尽くしがたいハーモニーを作った瞬間はほんのわずかに過ぎない」と結んでいるのです。

で、時事はろくにタイムズの記事も読まずに

宮本亜門がブロードウェー征服」NYタイムズ大絶賛

 【ニューヨーク3日=時事】米紙ニューヨーク・タイムズは3日、ブロードウェーで始まった宮本亜門さん=写真=演出のミュージカル「太平洋序曲」について、「宮本亜門氏という日本人の演出家が米国、少なくともブロードウェーと呼ばれる小さいながらも華麗な街道を征服した」と絶賛した。
 同紙は、1976年に初演されたオリジナル作品と比較し、「西欧の帝国主義に対する外部者による冷静な視点を提供している」と解説。「宮本氏は、太平洋序曲のマジックを再び成功させる要素を持っている」と同氏の演出を評価した上で、「敬意の賛辞」を保証できる作品だと結論付けた。

でもって、共同通信は以下のように

亜門氏演出の「序曲」酷評 NYタイムズ紙

 【ニューヨーク3日共同】3日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、日本人演出家としてブロードウェーに初進出した宮本亜門氏演出のミュージカル「太平洋序曲」を取り上げ、「太平洋を渡る飛行機で眠れず、時差ぼけに苦しむ人のような、かすんで混乱した」内容だと酷評した。
 同紙は、ステージ上には「自信喪失の危機」が漂っていると指摘。出演者が、優しく歌い愛想笑いを振りまいていても「わたしはここで何をしているのだろう」と自問しているかのように見える、と痛烈に批判。振り付けは「ぶざまに感じる」とこき下ろした。

まったく正反対の記事でしょ。
NYタイムズだけではなく、同じ日に配信されたAPの評も「太平洋で難破?」「粗雑」「不安定」「コミカルな部分ははずしっぱなしで犯罪的」とまでさんざん。昨年の日本語版では激賞されたのに、英語版でこうも違うのはどうしてなんでしょうね。

ジェンダーベンダーの要素もあると聞いていて、落ち着いたらこっそり見に行ってみようかなとも思っていたのですが、もういいっすわ。

しかし、なにより、なにが似合わないかって、宮本が自分のことを「オレ、オレ」とことさらに自称するのがひどく気持ち悪い。どーでもいいんですけど。

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