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共謀罪

うちの猫が、義経というのですが、ガンになっちゃったかもしれなくて、先週から病院に行って検査、検査です。右前肢の、人間でいう二の腕の部分が腫れ上がっていて、原因不明。ビッコ引いてるんだよね。かわいそうに。おまけに右肺にも影が見つかりました。レントゲン、生検、CTスキャン、生検、と繰り返して、来週半ばまで結果が出ない。

6年前、ヨシくんの母親のギャビちゃんが右前肢をひょいと上げてビッコを引くようになったのでお医者さんに連れて行ったのですが、原因不明。それから数週間後に引きつけを起こし、病院に急行し、入院し、その夜に死んでしまった。最後にはお医者さんの診察台の上で目も見えなくなっちゃって自分でパニックを起こしてみゃーみゃー鳴いて、かわいそうだった。脳腫瘍だったんだろうって、あとからお医者さんにいわれて、わかってもどうすることもできなかったと慰められたけど、先週の月曜にこんどはヨシくんが右前肢をひょいと上げているのに気づいて、わたしは、ああ、血の気が引くってのはこのことだってわかりました。

まあ、脳腫瘍でもない、骨にも異常はない、ということで、いまのところ本人も痛がってはいないようで、でも、きっと軟組織の肉腫の疑いが強いってことなんですわね。腕を取っちゃったら予後はいいんだろうか。

ネットで同じような症状を検索しても出てこないんです。

ま、というわけでヨシくんのことにかまけてますけど、日本では共謀罪の成立が土俵際のせめぎあいになっています。あまりにも唐突な話題転換。でも、そうなんだからしょうがない。

まったく、いろんな悪法が自民党によって強行採決されてきたけど、これも歴代トップ級のとんでもない法律だってこと、肝に命じておいてほしいです。

難しいことわからない人、おれを信じろ。この法律は通してはダメだ(といってきた法案はすべて通っちゃってきてるけどねえ)。

こういうときに必ず聞こえてくるのが「べつに自分で罪を犯していないなら心配する必要はないじゃないか」というやつです。「悪いことさえやらないなら、きみには関係のない法律だ」、すなわち、「そういうのに神経を尖らせるのは、なにかやましいことがあるからだ」となって、「そういう法律、べつにあったっていいんじゃないの?」「ダメだっていう理由ないじゃん」という結論になるわけですよ。

でも違うの。
法律ってのはね、たとえ政府が変わっても、この法律があれば大丈夫ってものを作っていく、それが基本。まあ、クーデタなんかだと法体系自体が無視されちゃうけど。

で、自民党支持者は、たとえ共産党が政権を取っても、この法律はきちんと運用されると思うのか、というふうに考えてみる。まあ、共産党が政権を取ることはないだろうし、そして、現在の日本共産党は自民党の毛嫌いしたかつての政党とは違ってしまっているけど、それは今という刹那のこと。そうじゃなくて、たとえ、とんでもない連中が政権を取ってもこの法律を安心して存続させていられるのかどうか、そこを考えなくちゃダメなのですわ。そんじゃなくては、怖くてしょうがない(いまの自民党だって怖いのに)。だいたいね、法律ってのは、恣意的に使いたくなるもんなの、権力を持つと。だからなおさらそこを締めなきゃならんのです。だって、こないだだって日テレのアナウンサーの炭谷宗佑(26)っていうバカが女子高生のスカートの中を盗み撮りしたのに、日テレは個人情報保護法なんだかどーだか知らんが、「プライバシーに関わることなのでコメントできない」とかって、あんた、報道も扱っているメディアの言うこととは思えないコメントだもんね。なによ、その不公平は。

そういうもんなんすよ。奢れるものって。

そう考えたら、共謀罪、危なくて、自民党ですら反対すると思いますよ。
だからダメなの、これ。

つまり、自分が悪事をするかどうかではなくて、政府を信頼するかどうか、なのですわ、問題は。そんで、その政府ってのは、いまの政府だけではなく、その法律が続く限りの、未来永劫のいろんな可能性の政府を含めて、なわけ。

あなたの嫌いなやつらが政権を取ったと想像してみてください。そんで、ここが肝心なのだけど、そいつらもあなたが大嫌いなのです。そんなやつらがこの共謀罪を大嫌いなあなたみたいな連中にどう使ってくるか、怖くありませんか? そういうことなのです。そこまで責任を持った上でこの法律はいいのかどうか。

法律というのは万事、だから徹底して、恣意的に運用され得ないものを作らなくてはいけないのです。

あちこちの人権派のHPで、こんな場合も逮捕される危険があります、こんなことをしても訴追されるかもしれません、という脅しの宣伝をやっていますけど、あれ、基本的にあんまり効果ないと思うんですよね。だって、ふつうの人は「悪いことさえやらないなら、わたしには関係ないもん」だもん。そういう人には、脅しにすらなってないんですよ。

豪腕・小沢の腕の見せ所。「国際条約に関する法律を政争の具にするのはよくない」と河野衆院議長が自民党に要請しているようですが、いや逆の意味でこれはまさに小沢民主党最初の政局です。どんどんぶつかる覚悟でやっていただきたいわね。

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